Lentajien Juhannus 2008
- Midnight Sun Airshow -

6月20日、フィンランド中西部のカウハバという小さな田舎町にある
フィンランド空軍カウハバ基地で、毎年恒例のエアショーが行われました。

このショーは、エアショーの英語名- Midnight Sun Airshow -からも分かるとおり、
毎年夏至の前後、つまり北欧では白夜になる時期に開催され、クライマックスは
深夜に近い時間帯となる、一風変わったエアショーです。

今年も午後2時にショースタート、クライマックスは午後10時〜11時30分、ショー終了は午前2時という、
日本ではおよそ考えられないエアショーが展開されました。

このカウハバ深夜エアショー、私の中では山頂エアショーAXALPと双璧を為す世界2大珍エアショーのひとつです。
(航空雑誌でもあまり取り上げられることはなく、日本のサイトでもほとんど情報が得られないため、ドキドキの展開でもありました。)

例年、レッドアローズやパトルイユドフランス、オランダ空軍やベルギー空軍のF-16など、
ヨーロッパを代表するエアショーパフォーマーが参加し大々的に行われていますが、
今年はフィンランド空軍90周年と言うことで、フィンランド空軍が中心となりました。

当日は曇り、雨、晴れ、曇りとめまぐるしく変わる天気の中、3度のフライトディスプレイが組まれ、
さまざまなフライトを見ることが出来ました。

カウハバ基地はフィンランド空軍の訓練部隊が置かれ、アクロバットチーム・ミッドナイトホークスもここに所在しています。
今回も主役はもちろんミッドナイトホークス。ホーク4機で構成されたチームは、今年からスモーク発生装置を搭載し、
見応えのあるフライトを見せました。2回のフライトを行いましたが、もちろん中心は夜10:30頃のまさにミッドナイトのフライト。
シックな灰色の機体がマジックアワー(時間が長い;;)の薄い空に舞い、とても幻想的でした。

他にもフィンランド空軍のホークやF/A-18のデモフライト、ショー初登場となる
お隣ロシアのロシアンナイツなどが派手な飛行を繰り広げ、幻想的な一日となりました。


カウハバ基地の入り口付近でーす。お、フィンランドの国旗が出ていますね。ちょっと派手ですけど。

ゲートオープンは14時なのに気の早い我々は13時頃にレンタカーで乗り付け。ゲートの兄ちゃんに聞いたら、フィンランド語で返されさっぱり分からず。察した兄ちゃん、14時オープンだよ、1時間後に来てくれ!!と日本語で・・・なワケはなく、英語で教えてくれました。フィンランドはフィンランド語ですが、みんな普通に英語もしゃべります。安心です。

ところがこのカウハバって町、とにかく小さいのです。エアショーまでたった1時間を潰すのに何もすることがない・・・ええ。各務原より田舎です。築城より田舎です。矢本町より田舎です。新富町…より田舎だな。そらもう、ペンギン村並です。栗頭先生やニコちゃん大王がいてもなにも不思議じゃありません。

カウハバへはフィンランドの首都ヘルシンキから鉄道で約3時間、セイナヨキという街に到着し(飛行機もあります)、そこからレンタカーで約1時間のドライブ。(またはヘルシンキから飛行機で1時間弱の港町Vaasaからレンタカーで1時間) まったく景色の変わらない北欧をのんびりドライブし、気軽に到着します。北海道のような感じだったり、ヨーロッパのような感じだったり・・・(ヨーロッパだってば;) カウハバにも鉄道の駅があります。実際にはセイナヨキやカウハバ駅からシャトルバスもあるようですが、なんせフィンランド語はさっぱり分からないので詳細は不明でした。(帰りの最終バスが会場発2:00a.m.ってのも凄いですが;;)

はーい、エアショー入り口でーす。チケットを買って入場!だいたい、どこのエアショーに行っても日本の方を見かけますが、ここでは日本人はおろか、東洋人も見かけませんでした。

しかし。前にならんでたオッサンが。「キミタチどこから来たの〜♪」みたいに話しかけてきた。じゃぱーん!と郷ひろみしたら(今回のレポは時代がおかしいぞ;)「おー、俺の弟は東京で3年暮らしてるんだよ!ほら!!」と野口英世な千円札を見せてくれました;;こんな北欧の片田舎で我が国ニッポンの紙幣が!何という偶然!感涙!!火星でオニギリ見つけたような感動でしょうね。ちなみに彼の息子さんは日本の電車が大好きだそうです。持ってた名鉄のミューチケットあげようと思ったけど、ゴミなのでやめました。(笑)

日本人が珍しいのか、チケット売りのおばちゃんもとても親切にニコニコと対応してくれました。北欧の僻地で寂しくなってる我々にはこれ以上ない嬉しさ!!ありがとー。(*^ー^*)

入っていきなり遊園地があったり;;それはいいけど、最初に登場、何故かロシア。ごめん。

イリューシンとかアントノフとか、そんなかんじ。Il-76ですか?おお!?こんな有名なのに今まで当サイトではマトモに名前を載せたことがなかった!?だって間違うと恥ずかしいんだもん;;

そしてこれ!!もうすっかりお馴染み、ロシアンナイツです!やっぱでかいな、フランカー。めっちゃでかい。世界最大サイズの戦闘機6機でアクロなんて反則です。

今回はなんと6機持ち込んでいました。プログラムにも6×Su-27と書いてあったので、6機態勢復活か!!と思いましたが…

こ、こいつ、いつかどっかで見たことある………ポーランド空軍のSu-22、寅さんです。相変わらず派手です。そして弱そうな戦闘機です。相変わらずかっこわるいです;;

こっちはえーっと、フィンランド最新鋭!NH-90かな?なんかごてごてしてかっこいいです。きっとSu-22より強いです。(笑)

さ、さっそくですが、カウハバの飛行場地区全景です。ここ、面白いことに、ちょっとした丘になっているところから見下ろすことが出来るんです。ミッドナイトホークスやF/A-18のランプアウトなどを俯瞰できちゃうんだ。

ほらね。みんな、フライトの前になると山登りするんです。(笑) 東洋人がいません。私たち、異端です;;

で、終わるとこぞって山を下りる。草だから雨が降ると滑る滑る。実は私も2回ズッコケタ。

お、弱そうな戦闘機。これも上から見ると可変後退翼がよく分かりますね!!

一回目のフライトの後、ちょっと強めの雨が降って、みんな格納庫に逃げ込みました。よくわからん食べ物とか売ってた。さすが北欧。でも全般的に美味しかったよ。

さて、これなーんだ。ロシアンナイツのお土産販売です。模型はメイドイン・チャイナ;;

そういえば、他にもフィンランド空軍グッズ(パッチなど)やいろんな売店が出ていました。

面白かったのは…飛行機グッズよりも毒々しいTシャツやドクロのアクセなどがいっぱい売っていたこと…そう、北欧はヘヴィメタルも盛んなのです;;

戦闘機のエンジン音よりやかましいヘヴィメタルなライブも会場でやってました。フィンランドといえばソナタアークティカやらストラトヴァリウス、ナイトウィッシュってとこですがー、残念、メジャーどころはさすがに来ません。レニングラード・カウボーイズならぬスターリングラード・カウガールズってお姉ちゃん達が一番盛り上がってました。いやけっこう盛り上がってたぞ。(笑)

ほらね。でかいんだ。

さっきからロシアンナイツばっかりだとお思いか。正解。だってあんまり地上展示がないんだもん。

でも、こんなのもいたりします。たぶん、このかっこわるいのは、C-295です。

そんな顔で見ないでくれよ;

虎だけど実はペンギンが書いてあったりします。おちゃめです。私もペンギンは大好きです。コウテイペンギンの雛は可愛いぞ〜。

あ、カバー外しましたね!あれ、レーダーとかあるのかな。

これはえーっと・・・Mi-8だな。これも、かっこわるい。フィンランド空軍はお隣ロシアの機体やヨーロッパの機体、それにアメリカ製の機種も持っていたり、なかなか面白いです。

かっこわるい機種が並んでいました。(笑)でも、ここでしか見られないような珍しいものがいっぱい見れてなんかすごいお得!!

これはご存知、ホークですね。みんなストライクイーグルと同じ色をしています。ここ、カウハバ基地でフィンランド空軍の練習部隊を形成しています。

これはしらない。


開催時間もフライトを見る場所も非常識なカウハバエアショー、なかなか面白いです!!

さーさー、まだまだ面白い地上展示もフライトも、どんどん行きましょう!!

つづく


かえる