Finnish Air Force 100th Aniversarry Air Show 2018

6月16日、17日の二日間、フィンランドのユバスキュラでフィンランド空軍100周年エアショーを見てきました。

当日の天気は両日とも晴れ、気持ちの良い北欧の空が広がりました。

フィンランド空軍の100周年を記念したエアショーのため同空軍歴代の戦闘機が集結、
飛べるものはデモフライトも行い大いに盛り上がりました。

また次期戦闘機“H-X”の選定中でもあるため、候補5機種も集まり、これも飛べるものはデモフライトでアピール、
結果的に過去から現在、そして将来のフィンランド空軍を見せる素敵なエアショーとなりました。


さて出発の日。朝からセントレアのラウンジでご飯。食べすぎですかね?朝から飲んでてごめんなさい。なんかピースしてる…のは奥さんです(^^ゞ

フィンランド、遠いようだけどヨーロッパとしては近い方です。北回りに飛べば日本から一番近いヨーロッパです。(ロシアを除いて) 今回はセントレアからヘルシンキへの直行便にて行きましたよ。

機内食が、というか、ナフキンがかわいいです。マリメッコリと提携してるのかな。毛布もこのデザインでした。

はい、しばらく飛んで辿り着いたぜヘルシンキ!!おー、良い空。

ヘルシンキからユバスキュラへの国内線もありますが、バスでゆっくり移動することに。

バス乗り場近くのスーパーでお買いもの。うーん。。。やはり撮りますよね;アイスもあるとは知らなかったぜ世界で一番不味いお菓子。

はい、ご存知サルミアッキです。右のはSuperサルミアッキ。スーパーが付くんだから、最強に違いありません。フィンランドに立ち寄るたびにお土産に買うのですが、ことごとく不評ですね(笑)

慣れている現地の人は大好きらしい。だってこれ、観光客向けのお土産屋ではなく、普通の町のスーパーですからね。それでこの山積みだから、まあ、売れてるんでしょうね。

ネタバレしますと、味は…アンモニアっぽい刺激があり、そして苦く、しょっぱい。要するに、慣れない人には無理っぽいです。以前職場で配った際は、吐き出した人や無理に呑み込んだ人などなど、まあ、まあ、まあね。みんなで買おう、サルミアッキ(笑)

バスで数時間、ユバスキュラに到着です。バスの中がとても寒かった…冷房効きすぎ!

ところでこの時期のフィンランドは一番日が長い時期です。いわゆる白夜ですね。これも確か21時前後じゃなかったかな。

この白夜が、今回フィンランドへ来ることを決めた理由のひとつでもありました。
10年前、同じ時期にカウハバで行われたエアショーはミッドナイトサン・エアショーという、文字通り白夜のエアショーでした。
22時過ぎに薄暮の空をミッドナイトホークスが飛び、クライマックスは23時のロシアンナイツ、エアショー終了は午前2時という、あれです。
最近このエアショーは開催されていませんでしたが、空軍100周年の今年は復活するのではないかと…。
残念ながらその復活はありませんでしたが、白夜自体は見ることができました。

はい、エアショーの準備をして寝ましょう!ヨーロッパ人のエアショー標準装備ってこんな感じですよね。バックパックとよくわかんない荷物と折りたたみ椅子。

明けて翌朝、さあ行きましょう、快晴!!

近くに泊まってる海外エアショー仲間のやっそさんのお世話になりレンタカーに同乗です。

はい、着きました!プレスパス!!ではなくてですね、スポッターズエリアのチケットを買っていたのですが、スポッターの札が品切れしてしまい、プレスパスで代用です。スポッターエリアもほとんど人がいなかったのに。

スポッターエリアって、ヨーロッパのエアショーではときどき見かける撮影者専用席です。混みあった一般観客に視界を遮られることなく心置きなく撮影できますよーという、あれ。

はい、入りましたー!!さっそく目に入ったのはラファールだったんですが、ここはやはりフィンランド空軍を最初に…。フィンランドの主力戦闘機はF/A-18です。F-16を選択する国が多かった中、フィンランドとスイスとスペインはF/A-18にしたんですね。ノルウェー、デンマーク、オランダ、ベルギー、ポルトガルはF-16。スウェーデンは独自のグリペン。フランスはミラージュ2000で、イギリスと西ドイツとイタリアはトーネード、東ドイツはMiG-29。こんな感じ?

陸上運用でも艦載機。翼は折りたためますよ。そういえばフィンランド空軍のF/A-18と言えば、損傷機2機をくっつけたフランケンホーネットがいましたよね。あいつ、どうなったんでしょうね??

併設の博物館からフィンランド空軍の歴代戦闘機も展示されました。

MiG-21なんか持っていたんですね。ロシアのお隣さんですし、なるほど、そういう時期もあったんだ…

こっちはドラケン。なるほど。ドラ犬も導入していましたか。

はい、突然変わってグリペンNG。新世代グリペンですね。フィンランド空軍の次期戦闘機の候補のひとつです。

おっとー!!ちょっと見慣れたようで実は違うやつが!!

はい、EA-18Gでした!しかも背中にコンフォーマルタンク付き。機体自体は本物のEA-18G(それも新造機)ですが、さすがにコンフォーマルタンクはモックアップのようです。

これの基となってるF/A-18E/Fが次期戦闘機候補でありますが、今回はなぜか代わりにEA-18Gを送り込んできたようです。デモフライトもグラウラーが担当していました。海軍、ボーイング社ともに都合がつかなかったのでしょうか?

スーパーホーネットとグラウラーの組み合わせ提案もあるようですね。

よく見ると奥にF-35のモックアップも映っています。F-35も次期戦闘機の候補のひとつです。

あ、こっちはグリペンの実機ね。

次期戦闘機候補で一番気合が入っていたのはタイフーン陣営でしょうか。なんとイギリス・ドイツ・スペイン・イタリアの4ヶ国の実機を揃えてきました。これは初めて見たなあ。

尖がってまーす!

もっと尖がってるのはラファールですが、これの実機、最初に見たのに撮るの忘れた…。はい、ラファールも次期戦闘機の候補です。
F-35がモックアップであった以外は、全部実機を持ち込んでデモフライトまで行われる品評会エアショーでした。

お、出た!最近よくエアショーで見かけるこれ、フィンランド空軍のNH-90です!いかにも最新鋭!かっこいい!

フィンランドと言えばアイス…なぜかそんな印象で買ってしまったソフトクリーム。10年前もそんな感じで買ってたなあ。

カウハバは寒かったけど、今回のユバスキュラは天候にも恵まれて暖かくてよかったです。

これは例の国境警備隊の機体ですね。「例の」ってのは、10年前にも登場したから。(笑)

また会場内をうろうろ。フィンランド空軍の朱鎔基が並んでいました。灰色のホークと、赤白のホークもいるんですね。今回は赤白ホークも飛んでいました。

お土産屋さんを覗いたぜ。TOP DOG可愛い…

奥さんと椅子を並べて優雅に北欧エアショー見物。幸せ。すみません、惚気ました(笑)

ところでムンクさん連れてったんすよ。北欧だから。ご近所の国だから。2011年にエーゲ海に散った初代ムンクさんを継いだ2代目ムンクさんです。よろしゅうに。

はい、フライト、始まりました!練習機の群れが飛んでいます。これよく見ると2機種で2個のダイアモンド編隊ですね。重なったもんだからぐちゃぐちゃに見えていますが。

実はこれの前にちゃんとオープニングもありました。F/A-18が正面から突っ込んできてフレアばらまいて急上昇。油断してて撮り逃しました…
いえ、読めてたんですけどね。エアショー参加も回数を重ねると、大体パターンが読めてきます。プログラム上のスタート時間に何かしらあるかも、という予測はしてたんだけど、忘れてて油断した。2分ほど前までは覚えてたんですよ。きょろきょろしても機影が見えなかったから、油断した(笑)

…軍用機がものの数秒で目標上空に到達するという、基本中の基本を忘れていました。
だって音も聞こえなかったんだもん。遠くから高速で一目散に飛んできたんでしょうね。

そういえば中学生の時、そうですね、湾岸戦争でF-117が話題になったころですね。社会科のおばちゃん先生が「姿が見えないどころか通過するまで音も聞こえないらしいよ」とあきれたように話していたのを覚えています。
軍用機を知らないおばちゃんの戯言…ではなく、毎日のように岐阜基地の戦闘機が教室の真横を通過(F-4のAB離陸なんか振動でドアが開くぐらいの近さ)、授業中断なんて日常茶飯事の環境でしたので、そのおばちゃん先生にとって「感知できないジェット戦闘機」なんてきっとあり得ない存在だったんでしょうね。(笑)

話が長くなりました。続きましてフィンランド歴代戦闘機へ行きましょう。フーガ・マジステール。綺麗な機体が2機もあるんですね。優雅に飛んでいました。何故か、あまり好きではない…

そしてこれ!初めて見た!!出ましたJ 35 ドラケン!!スウェーデンのヒストリックフライトからフライアブルなこれがやってきました!フィンランド空軍でも活躍したドラケン、これのフライトをついに見ることができました。ワタクシ大興奮。来てよかった!!

ドカーンというか、ドカーンというか、ドカーンと飛びます。ドラケンかあ。印象も思い出もないけど、名前だけ知ってたこれ。面白い形だなあ。動画は、私より一世代上の飛行機ファンの先輩方が喜んでくれました。

これはNH90のデモフライト終盤です!うわあわわわわああああ!!フレア凄いことになってる!

で、今回一番驚愕してジョードロップだったのはこれ。ジョードロップ。浄土六腑。ではなく、Jaw Drop。気に入った。(笑) 顎が落ちるほどのびっくりというか、そういうことらしいです。へえ、日本語の驚愕も、Jaw(顎)も、似たような字ですね。やはり驚くと顎が反応するようです。

ではなくて、何が驚いたかって、フィンランド空軍のアクロバット飛行チーム、ミッドナイトホークスですよ。何が驚いたって、写真を見てくださいよ。

なんと5機に増えたんですよ…ジョードロップですよ、ジョードロップ。今まで4機だったし機体の塗装も特になく濃い灰色一色だったのに。何の予告もなく1機増えたんですよ!世界のアクロチーム集めをして常に各国のアクロチームの様子を観察してたのに、まさかまさか、自分が見るエアショーの当日までそこに参加するチームのこんな大変革を知らなかったなんて。そしてこれが予告なく起きたなんて、じょー!どろっぷ!!でした。

いえ、実は、どうなのかいまだによく解りません。これ、最初はミッドナイトホークス4機でいつも通りのアクロをやった後、プログラム上はホークのソロデモとなっていました。その間に行われた5機編隊アクロでした。ソロのホークが合流した形ですね。

でもこの編隊でコークスクリュー的な課目もやっていたし、5機全機で絡んだ課目もかなり多かったし、写真ではわかりにくいけどソロもちゃんとミッドナイトホークスの機体と同じデザインだったので、5機特別編成ミッドナイトホークスだったと言える思います。

見事な演出に拍手喝采!です、私。

興奮冷めやらぬ中、次にあらわれたのはこれでした。EA-18G。なんとグラウラーのデモフライトです。これも始めてみました。米海軍はF/A-18FのTACデモを行いますし、トレードショーなどでもよくボーイング社がF/A-18Fを飛ばしますが、グラウラーのデモはこれまで見たことがありません。プログラムに出てたけど、ほんとに飛ぶまで半信半疑でした。ほんとに飛びました。。。

見てのとおり重装備でのフライトだったのでアクロ的な機動のない緩慢なフライトでしたが、それでもグラウラーのデモフライトを見られたなんて、ちょっとお得な気分です。

着陸。驚き桃の木山椒の木。私のPCえらい。驚き桃の木山椒の木、ちゃんと変換した。

はい、次、ラファールです!先ほどのグラウラーからはフィンランド空軍の未来を示すパートに入ってきたようです。H-X候補機が次々に飛びます。

ラファールもいつもの空軍デモではなく、何故かラファールB 2機でのタクティカルデモでした。単機でも狂ったように飛び回るラファール、2機いる模擬対地攻撃デモで大忙しでした。

次!タイフーン!!

こちらはいつも通り英空軍のソロディスプレイチームがやってきました!酷いです、ライノ陣は何故か戦闘タイプではないグラウラー、ラファール陣はいつものデモチームではないタクティカルデモ、それに対してタイフーンだけ本気のデモ…そりゃもう、デモフライトだけ見ればタイフーンの圧勝でしたよ…(奥さん談)

さあフィナーレが近づいてきました。もう一つの候補機グリペンと大トリの現フィンランド空軍主力戦闘機F/A-18のデモの前に、何やらミッドナイトホークスが離陸していきました。きっとラストに何かやるのでしょう!

と思ったら滑走路に車がいっぱい出てきた。そして始まらないグリペンのデモ。F/A-18も出てきません…あれ?

にわかにざわざわしはじめる会場。あれれ?

長く待った末、ミッドナイトホークスが3機だけ帰ってきました。どうした4番機。

近くにいたおじさんが教えてくれました。「なんかタイヤのトラブルでこの後のフライトはキャンセルらしいよ」と。

え?まじ??

あ、たしかに。ほら、上の写真良く見てください…格納しかけた右タイヤ、小さい!?…滑走路上でバーストしたようです。

この4番機、なかなか帰ってきません。脚のトラブルでは着陸も心配です。どこかほかの基地に下すのでしょうか。
ハラハラ。

そして数分後、4番機が戻ってきました。強行着陸するようです。ハラハラ。さっきの写真で小さく見えてる右車輪、これ、ホイールなんですかね?それとも緊急用の小さいタイヤが入ってるとか?(そんなことないか;)
片方の脚だけではバランスを崩しそうで怖いです。いっそ脚なし胴体着陸のほうが安全なんでは…とも思いましたが。

着陸態勢に入る4番機、脚を降ろしています。ハラハラ…

みんなが静かに見守る中、4番機、実にスムーズに着陸しました。ほっと一安心、開場からも拍手が起きていました。

最後の最後にはらはらした一日、最後の最後に最大の見せ場の自国主力戦闘機のデモは出来なかったけど、無事に?終わってよかった…。明日も無事に行われますよに…

さて、晩御飯!!白夜だから明るいんだけど…これで20時ころだったかな?なんか凄いの食べた(笑)

白夜だから明るいんだけど…なんかすごいビール。くまさんビールをいただいた。おいしかったぞ。

はい、2日目!前日最後のトラブルはものともせず、今日も元気に開催です!

今日はなんと、昨日夕方にキャンセルされてしまったプログラムから特別上演のようです。まあ確かに、H-Xの座がかかってるのにグリペンだけデモフライトできないのは不公平ですもんね。ということで飛びました、スウェーデン空軍グリペンソロディスプレイチーム!相変わらずくるくる回ります。

主役F/A-18ももちろん飛びます。今年はこの後、RIATで最優秀ソロデモ賞を獲りました。

派手にフレアをばら撒きますね。かっこいいなあ。

実はF/A-18は私が初めて驚愕した戦闘機です。1991年岐阜基地航空祭、まだ何も知らなかった私、地上展示されていた米海兵隊のF/A-18Aをみて、F-18なんてのもいるんだ!と驚いたと同時に、その未来的なスタイルにもとても驚いたものです。だって、尾翼がななめなんて!ね!それからもう30年近くたってるのにまだまだ元気なホーネット。嬉しいね。

なんでこんな形になったんですかね?ドラケン。

相変わらずやってくれるぜNH90。

はい、心配したミッドナイトホークス、2日目も無事に出てきました。今回予備機を持ってきていたか不明ですし、そもそもホークにそんなに機体数の余裕もないでしょう。もし飛んでも通常機になるかと思ったら全部ちゃんとこの塗装の機体でした。もしかしてこのデザインはステッカーとかですぐに貼れるタイプとか?
ところで見てのとおりやっと少しアクロチームらしいデザインになりましたよね。以前は灰色一色で、「ミッドナイトホークスの名にふさわしい!」とムリヤリ納得していたものです。前年のフィンランド100周年を機にデザインされたようです。

お昼休みです。牧歌的光景を発見。ドラケン対トラクター。トーイングカーの代わりにこれで移動していたようです。

グラウラー、2日目も緩慢なデモでした。あ、地上展示はロールアウト直後の新造機でしたが、こちらは海軍の部隊から来ていましたよ。

タイフーンびゅーん!

カナードの位置のせいかナマズっぽく見える…

ラファールどーん!

グリペンどかーん!

いいなあ、この感じ。今回の主役フィンランド空軍F/A-18、これでもかというほど元気いっぱいに飛んでくれました。パイロットね、なんか巨体な人です…

はい、前日はミッドナイトホークスのトラブルでできなかった最後の課目、混成編隊の派手な散開でフィンランド空軍100周年エアショーは無事お開きとなりました!おめでとうございました!

この日は帰路のドライブインにて晩御飯。小さいエビがおいしいぞ。

レンタカーの同乗させてくれたやっそさん、お世話になりました。

注目のエアショーの話をすれば必ずと言っていいほど現れるやっそさん、一人で不安なときはそれとなーく情報を流すと現れるやっそさん、そのおかげでけっこう無茶したエアショーではだいたい一緒、いつでも心強い海外仲間です(笑)

さて、帰りましょうか。帰国日、帰りの便は遅い時間なので、ヘルシンキ観光もしてきました。真っ白なヘルシンキ大聖堂。旅先で聖堂を見るのが大好きです。カモメがいっぱい。

そう、かもめ食堂もここのお話でしたね。

聖堂の中はこんな感じ。明るい感じですね。

今日も快晴、トラムがかわいい。

世界のバーガーキング制覇を目指し頑張ります!味はまあ、素人には区別つかないぐらいどこも同じです。こだわってる人にしてみれば違うのかもしれないけど、私には同じと言っていいです。はい。

はい、最後のお写真はこちら。ヘルシンキ空港、いつ来ても最終ページにスタンプ押しやがります…今回もやられましたとさ。(笑)


フィンランド空軍100周年エアショーはこのとおり同空軍の歴史をたどるとても興味深いエアショーとなりました。
将来、H-Xにどれが選ばれるか、注目したいと思います。


かえる